ゆるむしの森プロジェクト

休耕田に自然発生した森林緑地「ゆるむしの森」の観察、管理・運営活動を中心とする情報ブログ

5月のタテハチョウ

「ゆるむしの森」は平野のど真ん中にある小さな森ですが、タテハチョウの仲間が豊富に生息し、5月のこの時期1化目の個体が乱舞する姿を見ることができます。先のブログ記事「5月上旬の昆虫」でも紹介しましたが、飛ぶ姿が目立つのはコムラサキ亜科のゴマダラチョウとアカボシゴマダラです。

今日も沢山飛翔する姿が見られたものの、なかなかとまってくれず、あるいは木々の高い位置に葉に隠れるようにとまることが多かったため、写真におさめることができませんでした。一方で、蛹や幼虫もまだまだ見られます。写真1はエノキにぶら下がっていたゴマダラチョウの蛹です。

写真1. エノキの低い位置にぶら下がるゴマダラチョウ Hestina persimilis japonica の蛹(右側にオヤブジラミが見える)(2022年5月18日)

アカボシゴマダラの蛹も沢山見ることができましたが、何とこの時期、エノキの幼木にまだ脱皮していない越冬幼虫がいました(写真2)。

写真2. アカボシゴマダラ Hestina assimilis assmilis の越冬幼虫(脱皮前)(2022年5月18日)

上記2種に負けじとたくさん飛んでいたのがコムラサキです。ゆるむしの森にはヤナギ類が豊富に生えていますが、カワヤナギの周りを数個体が飛び回っていました。写真3はアキニレの葉上に静止するコムラサキです。

写真3. アキニレの葉にとまるコムラサキ Apatura metis(2022年5月18日)

コムラサキ亜科の種と並んで沢山飛んでいたのがイチモンジチョウ亜科のチョウです。前のブログでコミスジを紹介しましたが、今日は加えてイチモンジチョウとアサマイチモンジ(埼玉県準絶滅危惧2型 [NT2])が乱舞していました。

写真4は、イチモンジチョウがとまる姿です。前翅の縦に並ぶ白紋の列の4番目が著しく小さくなる(消えかかる)ことでアサマイチモンジと見分けることができます。

写真4. クワの葉にとまるイチモンジチョウ Limenitis camilla(2022年5月18日)

写真5は翅をひらいたところを捉えたものです。前翅の縦の白紋の4番目が小さいことに加えて、前側の中央の白紋がほとんど消えることで特徴付けられます。

写真5. ハンノキの葉上にとまるイチモンジチョウ(2022年5月18日)

写真6は別の個体のイチモンジチョウです。

写真6. アキニレの葉上にとまるイチモンジチョウ(2022年5月18日)

写真7はアサマイチモンジです。埼玉県では準絶滅危惧2型(NT2)に指定されている種です。前翅の縦の白紋列の4番目がしっかり確認できます。また前翅表側の先端中央に、イチモンジチョウにはない白紋がかすかに見えます。

写真7. アキニレの木にとまるアサマイチモンジ Limenitis glorifica(2022年5月18日)

写真8は別個体のアサマイチモンジです。

写真8. カワヤナギの葉にとまるアサマイチモンジ(2022年5月18日)

マルバヤナギの樹液が出ている部分にはルリタテハがいました(写真9)。翅が痛んでいて越冬の成虫だと思われます。

写真9. マルバヤナギにとまるルリタテハ Kaniska canace(2022年5月18日)

森の傍にある石塀には別のルリタテハがとまっていました(写真10)。こちらも翅が少し痛んでいて、翅の色もくすんでいます。越冬個体だと思われます。

写真10. 石塀にとまるルリタテハ(2022年5月18日)

クワの幹には、ジャノメチョウ亜科のサトキマダラヒカゲがとまっていました(写真11)。

写真11. クワの幹にとまるサトキマダラヒカゲ Neope goschkevitschii(2022年5月18日)

ジャノメチョウでは、ヒメジャノメも写真に収めることができました(写真12)。

写真12. カキノキの葉上にとまるヒメジャノメ Mycalesis gotama(2022年5月18日)

タテハチョウでは、上記のほか、キタテハ、ツマグロヒョウモン、およびヒカゲチョウを見ることができました。

タテハチョウ以外では、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、ナガサキアゲハ、モンシロチョウ、キタキチョウモンキチョウヤマトシジミベニシジミイチモンジセセリを目撃しました。

            

カテゴリー:生き物観察