カテゴリー:生き物観察
今年は10月に入って、やっと秋らしい気温になってきました。この記事では、まだまだ暑かった9月のゆるむしの森で見られたチョウを載せます。ジャコウアゲハとゴマダラチョウは別ページで紹介していますので、その他の代表的なものについて写真をアップします。
種の数については基本的には8月とほとんど変わりはありませんが、個体数に大きな違いがあります。まずはキチョウ(キタキチョウ)です(写真1)。9月に入ってぐんと個体数を増し、今最も多い種になりました。モンシロチョウが激減したのとは対照的です。
↑写真1 キチョウ Eurema hecabe(2023年9月25日)
タテハチョウの仲間で秋に最も多く見られるのがキタテハです(写真2)。10月から11月にかけて最盛期になります。
↑写真2 クワの葉上でやすむキタテハ Polygonia c-aureum(2023年9月10日)
コムラサキは9月に3化目の個体が多く見られます(写真3)。午前中に目撃できることは少なく、お昼をかなり過ぎてから夕方まで、飛翔する姿を見ることができます
↑写真3 エノキの葉上で静止するコムラサキ Apatura metis(2023年9月25日)
写真4はイチモンジチョウです。9月まではまだ十分に目撃できます。
↑写真4 下草の葉上に静止するイチモンジチョウ Limenitis camilla(2023年9月10日)
これも9月まではよく目撃できるアサマイチモンジです(写真5)。この日は、イチモンジチョウと戯れ合っていました。
↑写真5 カキノキの葉にとまるアサマイチモンジ Limenitis glorifica(2023年9月10日)
写真6はコミスジです。10月まで見ることができます。
↑写真6 葉上でやすむコミスジ Neptis sappho(2023年9月17日)
ジャノメチョウ亜科のなかでは、いま最も多く見られるのがヒメジャノメです(写真7)。
↑写真7 ヒカゲイノコヅチにとまるヒメジャノメ Mycalesis gotama(2023年9月1日)
盛夏には減っていたヒカゲチョウですが、サトキマダラヒカゲと交代するように、9月になってよく見られるようになりました(写真8)。
↑写真8 ヒカゲチョウ Lethe sicelis(2023年9月16日)
シジミチョウのなかでは、目撃回数が少ないムラサキシジミですが、運がいいと時々翅を開いている姿を見ることができます(写真9)。
↑写真9 ムラサキシジミ Narathura japonica (2023年9月25日)
9月になって俄然姿を現すようになったのが、ウラナミシジミです(写真10)。いま森の中で乱舞しています。
↑写真10 交尾中のウラナミシジミ Lampides boeticus(2023年9月17日)
1年を通じて最も普通のシジミチョウの一つがヤマトシジミです(写真11)。
↑写真11 ヤマトシジミ Zizeeria maha(2023年9月1日)
目撃頻度は少ないセセリチョウがダイミョウセセリです(写真12)。
↑写真12 ダイミョウセセリ Daimio tethys(2023年9月1日)
イチモンジセセリは最も普通のセセリチョウ種の一つですが、9月になってさらに増えてきました(写真13)。
↑写真13 オギの葉上にとまるイチモンジセセリ Parnara guttata(2023年9月25日)
イチモンジセセリと並んで今最も個体数が多いのが、チャバネセセリです(写真14)。
↑写真14 チャバネセセリ Pelopidas mathias(2023年9月25日)
オオチャバネセセリは夏に最も多いセセリチョウ種でしたが、9月になって上記2種にその座を譲りつつあります(写真15)。
↑写真15 オオチャバネセセリ Zinaida pellucida(2023年9月10日)
セセリチョウの中では、比較的珍しいのがミヤマチャバネセセリですが、春から初秋まで比較的長い期間見ることができます(写真16)。
↑写真16 ミヤマチャバネセセリ Pelopidas jansonis(2023年9月17日)
秋が深まれば、さらに目撃できる種数は少なくなりますが、一部のチョウ(キチョウやキタテハ)はさらに個体数が多くなると思います。
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