カテゴリー:生き物観察
5月初旬の大型連休に明けに「ゆるむしの森」を訪れました。森はますます緑の度合いを増していました。たくさんのチョウが乱舞していて、目立ったのがゴマダラチョウとアカボシゴマダラです。5月初めは1化目の羽化が続々と始まる時期ですが、あちこちに蛹痕を見つけることができました。
残念ながら、これらのチョウは樹木の周りを割と高速で舞っていて、写真に収めることができませんでした。他にはナガサキアゲハ、ナミアゲハ、モンシロチョウ、ルリタテハ、キタテハ、ヒメアカタテハ、アサマイチモンジ、ツマグロヒョウモン、サトキマダラヒカゲ、ダイミョウセセリを目撃することができましたが、シャッタ−チャンスがありませんでした。
それらのなかで、唯一とまるところを撮ることができたのがコミスジ(タテハチョウ科 イチモンジチョウ亜科)です(写真1)。パッパッ、スーという感じの独特の飛び方をしますが、大発生していました。
↑写真1 コミスジ(2022年5月4日)
ハンノキの林の下は、オヤブジラミ Torilis scabra(セリ科)が大繁茂していて一面を覆っていました。前のブログ記事「ギンツバメ」でも紹介したように、ギンツバメがあちこちにとまっていました。
↑写真2 ハンノキの林の下に繁茂するオヤブジラミ(2022年5月12日)
ギンツバメとともに、オオウンモンクチバ Mocis undata(ヤガ科 シタバガ亜科)があちこちに見られました(写真3)。本種は、前翅内側には黒点があることで特徴付けられますが、これはその特徴がない個体です。
↑写真3 オヤブジラミにとまるオオウンモンクチバ(2022年5月12日)
オヤブジラミの繁みのところどころには、セイタカアワダチソウが生えていて、そのうちの一つにマメドクガ Cifuna locuples confusa(ドクガ科)の幼虫がいました(写真4)。いかにも毒々しい感じです。
↑写真4 セイタカアワダチソウの葉上のマメドクガの幼虫(2022年5月12日)
観察路の脇にはムラサキツメクサ(アカツメクサ)Trifolium pratense(マメ科)がたくさん見られました(写真5)。
↑写真5 ムラサキツメクサ(アカツメクサ)(2022年5月12日)
よく見ると、花にマルカメムシ Megacopta punctatissimum(マルカメムシ科)が群がっていました(写真6)。本種は甲虫にも見えますが、れっきとしたカメムシの仲間で、実際触ってみるとスパイシーなカメムシ臭がします。
↑写真6 アカツメクサの花に群がるマルカメムシ(2022年5月12日)
アカツメクサの葉の裏側にはナシケンモン Viminia rumicis(ヤガ科 ケンモンヤガ亜科)と思われる幼虫がいました(写真7)。
↑写真7 ナシケンモンと思われる幼虫(2022年5月12日)
アキニレの主幹からは、まだ匂うほど本格的ではありませんが、あちこちから樹液が出ていて、甲虫類が集まっていました。写真8は、サビキコリ Agrypnus binodulus(コメツキムシ科 サビキコリ亜科)です。
↑写真8 アキニレ上のサビキコリ(2022年5月12日)
樹液にはヨツボシケシキスイ Glischrochilus (Librodor) japonius(ケシキスイ科 オニケシキスイ亜科)が群がっていました(写真9)。クワガタの雌のような「あご」をしています。
↑写真9 アキニレの樹液に群がるヨツボシケシキスイとサビキコリ(2022年5月12日)
アキニレの上にはハナムグリ Cetonia(Eucetonia)pilifera pilifera(コガネムシ科 ハナムグリ亜科)もいました(写真10)。
↑写真10 アキニレの上のハナムグリ(2022年5月12日)
もう少しすれば、樹液上にはクワガタやカブトムシが見られるのではないかと思います。
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