ゆるむしの森プロジェクト

休耕田に自然発生した森林緑地「ゆるむしの森」の観察、調査記録、管理・運営活動を中心とする情報ブログ

サルトリイバラ

カテゴリー:チョウの食草と食樹

       

サルトリイバラ Smilax china(サルトリイバラ科サルトリイバラ属) 🟠食樹とする(葉を食べる)幼虫のチョウ種:ルリタテハタテハチョウ科タテハチョウ亜科

別名サンキライと呼ばれるつる性の落葉半低木です。高さ 2 m ほどになりますが、地下茎が発達しながら生育し、地面を這うように 3〜4 mに伸びることもあります。つる状の茎にはトゲがあって、繁茂するとサルもそこに引っかかってしまう、ということでこの名があります。葉は互生、きょ歯なしで、縁が反ったり波打ったりする円形~楕円形(3~12 cm)をしています。

東アジア(中国、朝鮮半島)に広く分布し、日本では北海道から沖縄まで全土に分布します。山野、緑地の日当たりの良い場所にふつうに見られ、街角の公園などでも植栽の間に自生しているのが見られます。 

雌雄別株で、花期は 4〜5 月です。直径 7~9 ㎜ の球形の果実がなり、秋に真っ赤に熟します。つるに赤い果実がついたものはインテリア(クリスマスリースの飾りなど)として利用されます。葉は、柏餅の柏の葉の代用として、特に関西以西で使われています。

サルトリイバラはルリタテハの幼虫の主要な食草の一つです。ゆるむしの森では、少なくとも4ヶ所に生えていて、葉裏を観察するとよく幼虫が見つかります。蛹は茎や葉にぶら下がって形成されます(垂蛹になる)。ルリタテハは成虫で越冬しますので、幼虫で越冬するコムラサキ亜科のタテハチョウに比べて第 1 化目の変態期は約 1 ヶ月遅れます。

       

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