カテゴリー:チョウの食草と食樹
アキニレ Ulmus parvifolia(ニレ科ニレ属) ●食樹とする(葉を食べる)幼虫のチョウ種:ヒオドシチョウ(タテハチョウ科タテハチョウ亜科)
落葉高木で、樹高 10~15 m になります。樹皮は灰色~灰褐色で、不規則な鱗片状に剥がれてまだら模様となります。亜高木には樹皮に赤い粒々があります。葉は濃緑色で、厚みがあり、やや硬く、丸みを帯び、全体に鋸歯があります。他の落葉樹と比べると成長はやや遅いです。ゆるむしの森では最も多く見られる樹木です。
シータテハやカラスシジミの食樹にもなりますが、これらのチョウは山地性で、この地域(埼玉県中央・東部)には生息していません。
アキニレの葉にはアキニレヨスジワタムシ(アブラムシ科タマワタムシ亜科)が虫こぶをつくります。鮮やかな赤い葉瘤でアキニレハフクロフシとよばれています(以下写真右)。
秋になると淡い緑色の実がなります。
ゆるむしの森にはアキニレがたくさんあるせいか、様々なチョウが葉上にとまる姿を目撃できます。
アキニレの特徴の一つは、樹液が豊富なことです。ヤナギ類とともに、虫たちの樹液レストランの場になります。5月から夏にかけて、タテハチョウの仲間、スズメバチ、甲虫類などがたくさん集まります。クワガタやカミキリムシは幹に穴を開けて入り込みます。
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