カテゴリー:チョウの食草と食樹
アカメガシワ Mallotus japonicus(トウダイグサ科アカメガシワ属) 🟠食樹とする(葉を食べる)幼虫のチョウ種:ルリシジミ(シジミチョウ科)
落葉高木また落葉低木の広葉樹で、高さ 3–15 m になります。和名の由来は、春から初夏の若葉が紅色であること、そして葉がカシワの葉のように大きくなることからといわれています。また細枝や葉柄も赤褐色をしています。またヒサギ(楸)とも呼ばれます。葉は互生し、幅 5–14 cm の卵形~広卵形で、葉先は尖ります、葉縁は全縁で、やや波打ちます。
本州(東北中西部以南)、四国、九州、沖縄 に広く分布し、林縁や荒地など明るいところに自生します。あまり環境条件を選ばず、成長が速いので、森の形成のスターターになる木の一つですが、やたら生えてくるので、一般には駆除対象の雑木とされているようです。ゆるむしの森でも至る所に生えてくるので、適宜伐採管理が必要になるくらいです。
樹皮は若木では灰褐色、成木では暗灰色で縦に細いわ割れ目ができます。
雌雄異株で、花期は 6–7 月です。枝先に淡黄色の長さ 7–20 cm の円錐花序を出します。果実は直径 1 cm 弱の三角状偏球形で、表面にやわらかい棘状の突起が密生し、秋に褐色に熟します。
不分裂葉と分裂葉があります。低幼木では浅く3裂することが多く、しばしば波状のきょ歯が見られます。成木では、上記写真のように、不分裂葉で全縁の場合が多いです。晩秋には黄色に「紅葉」します。
アカメガシワは、ルリシジミの幼虫の食草になる樹木です。ルリシジミは、マメ科、ミズキ科、バラ科など、様々な植物の花やつぼみを食べるチョウで、ゆるむしの森ではもっぱらハリエンジュで発生しているようですが、時々アカメガシワに産卵するシーンも目撃できます。
また、アカメガシワの葉の基部には、花外蜜腺があり、多数のアリが吸蜜に訪れているところが観察できます。花外蜜腺の役割としては、アリを誘引することによって、ガの幼虫の食害を防いでいることと考えられています。
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