9月に入り、「ゆるむしの森」周辺の田んぼでも稲刈りが始まりました。気温はまだ高いですが、秋を感じますね。
9月はコムラサキ亜科のチョウの 3 化目の羽化が盛んになる時期です。ゆるむしの森では、コムラサキ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラの3種を見ることができます。そう思いながら森のなかに入ると、早速ゴダラチョウやアカボシゴマダラが飛翔する姿を目撃することができました。
しばらくすると、エノキの低木(樹高 4 m)にゴマダラチョウのメスがとまっているのを見つけました(写真1)。とてもきれいな翅をしていて、羽化後それほど時間が経っていない3化目の個体だと思われます。ちょうど目の高さくらいの位置で、よく見ると葉にくっつけるように尾部を曲げています。
↑写真1
近づいてみると、やはり尾部を盛んに曲げながら、産卵しているようで、カメラを近づけても逃げません(写真2)。
↑写真2
写真撮影を終えて、森を一回りし、また先ほどのエノキの場所に戻ってきて、葉を観察してみました。そしたら卵が7個しっかり産みつけてありました(写真3)。
↑写真3
エメラルドグリーンのきれいな卵です(写真4)。アカボシゴマダラは葉や枝に1個ずつ産みつけますが、ゴマダラチョウは一つの葉に複数個産むのが特徴です。
↑写真4
それにしても3化目の成虫がこの時期産卵とは早いですね。この森でのゴマダラチョウやアカボシゴマダラの卵のふ化率はこれまで4割以下ですが、できる限り多くの卵が無事ふ化できることを願っています。
3化目の成虫の卵は幼虫になった後は、越冬型に変態して冬越しをしますが、稀に年内に羽化までこぎつけることもあります。これらの卵がこれからどうなっていくのか、引き続き観察を続けたいと思います。
森ではコムラサキ(オス)のきれいな3化目個体も見ることができました(写真5)。風があってズーム目一杯で撮影なのでボケボケ写真です。
↑写真5
8月下旬にはほとんど見られなくなっていましたが、ゴマダラチョウ同様、10月まで個体数が増えていくと思います。
カテゴリー:生き物観察