ゆるむしの森プロジェクト

休耕田に自然発生した森林緑地「ゆるむしの森」の観察、管理・運営活動を中心とする情報ブログ

秋はキチョウの最盛期

カテゴリー:生き物観察

キチョウ(キタキチョウEurema mandarina は、モンシロチョウと並んで、シロチョウ科のなかで最も普通に見られる種です。発生時期は概ね3月から11月までですが、成虫で越冬するので、ほぼ一年中見ることができます。特に秋は個体数が増えます。

ゆるむしの森でもキチョウは秋が最盛期で、10月から11月初旬にかけて大発生します。この森では、ハギ類、ハリエンジュ(ニセアカシア)、クサネムなどに産卵や幼虫の姿を頻繁に見ることができますが、秋には特にハギ類の枝に蛹が連なっているのが観察できます。この記事で、いまの時期のキチョウの姿を紹介します。

写真1は、地面の枯れ草の痕に集団でとまっている成虫の姿です。

写真1  枯れ草の痕に集団でとまるキチョウ(2023年10月2日)

写真2は交尾中でキチョウです。上が雄、下が雌です。

写真2  アカメガシワの葉にとまる交尾中のキチョウ(2023年10月2日)

この時期のハギは、葉が幼虫に食べられて丸裸になっていることも多いですが、写真3、4はそのうちの一つで、蛹がたくさんついていました。

写真3  ハギの枝上で蛹になったキチョウ(2023年10月11日)

写真4  ハギの枝上の蛹(糸で体を支えている)(2023年10月11日)

いまハギについている蛹は次から次への羽化しています。羽化したばかりの個体に異性が飛んできて、早速交尾をする姿も見られます(写真5、6)。

写真5  ハギの枝上で羽化した個体と早速交尾を始めたペア(写真左)(2023年10月13日)

写真6  ハギの枝上で空の蛹を挟んで後尾中のキチョウ(写真5のペアの1時間後)(2023年10月13日)

キチョウの大発生はいましばらく続きます。11月まで乱舞する姿が楽しめそうです。

      

カテゴリー:生き物観察