ゆるむしの森プロジェクト

休耕田に自然発生した森林緑地「ゆるむしの森」の観察、管理・運営活動を中心とする情報ブログ

ウマノスズクサージャコウアゲハの産卵

カテゴリー:生き物観察

「ゆるむしの森」では、いろいろなチョウの産卵行動を頻繁に目撃することができます。前のブログ記事ではゴマダラチョウの産卵を紹介しました。ここではジャコウアゲハ写真1)の産卵を紹介します。

↑写真1  ゆるむしの森のジャコウアゲハ♀(2023年8月18日)

この森にはジャコウアゲハの幼虫の食草であるウマノスズクサが、少なくとも二カ所に生えています(写真2)。この森での本種の発生源になっていると思われます。

↑写真2  ウマノスズクサ

この日、森の観察路の草抜き作業をしていたところ、草地部分でユラユラと飛ぶジャコウアゲハのメスが目にとまりました。しばらく追跡していたところ、ウマノスズクサが生えている場所に降り立ちました。これはシャッターチャンスと思い、近づいてみると、しっかりと産卵行動に入りました(写真3)。地面スレスレの葉の裏に尾の先を押しつけ、結構長い時間この体勢をとり続けていました。

↑写真3  ジャコウアゲハの産卵(2023年9月10日)

この森でのジャコウアゲハの産卵行動はこれまで確認していませんでしたが、今回始めてカメラに収めることができました(写真3)。現場はウマノスズクサや他の下草が地面を這っていて、入り込むことが難しいので、産卵された卵を確認することはできませんでした。代わりに以前の写真を添付します(写真4)。直径 2 mm ほどの大きさで、きれいなオレンジ色をしています。

↑写真4  ジャコウアゲハの卵(2019年6月14日、千葉県柏市

観察できる範囲でできる限りウマノスズクサをチェックしたしてみたところ、すでに先住の幼虫がいて、2本の株にそれぞれ5頭ずつ、合計10頭を確認することができました(写真5-7)。

↑写真5  ジャコウアゲハの幼虫(2023年9月10日)

↑写真6  もう一本の株にいたジャコウアゲハの幼虫の一つ

ウマノスズクサは、前回の幼虫発生(7月)から時間が経っておらず、まだあまり成長していません。しかも、ところどころ茎が幼虫によって食いちぎられていて(写真7)、このままだと食糧難に陥りそうなので、数頭を別の株に移動させました。

↑写真7  ジャコウアゲハの幼虫

これらの幼虫は9月中、あるいは10月初旬までには羽化できるかもしれません。一方、今回産卵されたものは、どうなるでしょうか。蛹になって越冬に入るのでしょうか。引き続き観察を続けていきたいと思います。

       

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