カテゴリー:チョウの食草と食樹
スイカズラ Lonicera japonica(スイカズラ科スイカズラ属) 🟠食草とする幼虫のチョウ種:イチモンジチョウ、アサマイチモンジ(タテハチョウ科イチモンジチョウ亜科)
半常緑のつる性木本(低木)で、別名ニンドウ(忍冬)、キンギンカ(金銀花)、スイバナ、ハニーサックル(Japanese honeysuckle)とも呼ばれます。つるは木質性で、右巻きに伸びて他の植物に絡みつきながら繁茂し、長さは10 m ほどにもなります。葉はつるに対生し、卵形から長楕円形で、長さ 3〜7 cm になります。花期は 5〜6 月で、白い花を咲かせます。花は時間が経つにつれて次第に黄色に変化することから、金銀花(キンギンカ)の由来になっています。花はジャスミンに似た甘美な香りがあります。このため、精油や香水として利用されています。
北海道の北部を除いた日本全土に分布し、山野や道端で普通に見られ、公園などでも他の樹木に絡まって生えているのをよく見かけます。ゆるむしの森では周辺の農道に沿って群生しています。
イチモンジチョウやアサマイチモンジ(埼玉県準絶滅危惧2型、NT2)の幼虫の食草であり、初夏にこの植物の周辺を飛び交っているのをよく見かけます。理由はよく分かりませんが、ゆるむしの森ではアサマイチモンジの個体数が圧倒的に多いです。このほかにいろいろなチョウが吸蜜に訪れますが、特にジャコウアゲハはスイカズラの花が好きなようで、初夏によく見かけます。
アサマイチモンジやイチモンジチョウの♀は、スイカズラの葉の裏に一個ずつ卵を産みつけます。卵は 1 mm に満たない小さなサイズで、薄い黄色をしています。
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