ゆるむしの森プロジェクト

休耕田に自然発生した森林緑地「ゆるむしの森」の観察、調査記録、管理・運営活動を中心とする情報ブログ

カモジグサ

カテゴリー:チョウの食草と食樹

       

カモジグサ Elymus tsukushiensis var. transiens(イネ科エゾムギ属) 🟠食草とする幼虫のチョウ種:ヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、ジャノメチョウ(タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科)、イチモンジセセリ、チャバネセセリ、キマダラセセリセセリチョウ

イネ科の多年草で、乾いた原野、道端、公園などあらゆる場所に生え、いわゆる雑草の一つとして扱われることが多いです。北海道から琉球列島まで、日本全土に広く見られます。 

茎は株立で、高さ 50〜100 cm になり、初夏(花期は 5-7 月)に出る穂が弓形に垂れ下がる姿が特徴的です。葉は茎の節から出て、緑色でつやはなく、長さ 20-30 cm になります。

穂には柄のない小穂が並び、やや偏平で細長く、よく発達した長い赤紫色の芒が先端方向に伸びていることが同定の目安になります。

カモジグサと類似種のアオカモジグサ Elymus ciliaris の識別は簡単ではありませんが、前者の芒は花後でも穂の先端方向へすんなりと伸び、乾燥してもほとんど反り返りません。

一方、アオカモジグサの芒は緑色で、枯れ始めると反り返るようになります。

ゆるむしの森では、オギチガヤメダケと並んで、最も生育範囲・量が多いイネ科植物の一つです。この森では、ジャノメチョウやヒメウラナミジャノメが主要な食草とするススキが少ないですが、カモジグサはこれらの種の貴重な食料源になっていると思われます。

       

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