カテゴリー:樹木と草本
今年も5月に入り緑が色濃くなってきました。「ゆるむしの森」周辺の水田では田植えが始まっています。
森内では、目立つ花は少ないですが、春からキツネアザミ、ヒメジョオン、カタバミの可憐な花が一面に咲き、今はアカツメクサの赤〜ピンク色の花が目立っています。そして、スイカズラやヒメウツギなどの白い花が見られます(以前の記事でも紹介→5月初旬の樹木観察)。
写真1–3は森の周囲の農道に沿って見られるスイカズラです。地面を這うようにつる性の茎が伸び、近くの低木に絡み付き、ところどころに白い花を咲かせています。花に近づくと甘い香水のようないい匂いがします。5月も下旬になると花も衰えてきます、
↑写真1 スイカズラ Lonicera japonica(スイカズラ科スイカズラ属)(2023年5月10日)
↑写真2 スイカズラ(2023年5月10日)
スイカズラは、タテハチョウ科のイチモンジチョウやアサマイチモンジ(→タテハチョウ科ーイチモンジチョウ亜科・ドクチョウ亜科参照)の幼虫の食草です。写真4はサクラの主幹に絡み付いたスイカズラで、この株では、森内で最も多い幼虫の発生が見られます。
↑写真3 サクラの幹に絡み付くスイカズラ(2023年5月10日)
5月も後半になるとヒメウツギの白い花が開くようになります(写真4–5)。
↑写真4 ヒメウツギ Deutzia gracilis(アジサイ科ウツギ属)(2023年5月17日)
ヒメウツギはチョウの一種トラフシジミの食草の一つです。写真6の低木では一度だけ幼虫の死骸を見たことがありますが、成虫の目撃も一度しかありません。現在、生息かどうかを確認中です。
↑写真5 ヒメウツギ(2023年5月17日)
森に隣接する民家のミカン科の樹木は白い花が咲き誇り、クロアゲハが産卵に訪れていました(写真6)。
↑写真6 ミカン科の樹木と産卵に訪れたクロアゲハ(2023年5月17日)
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