ゆるむしの森プロジェクト

休耕田に自然発生した森林緑地「ゆるむしの森」の観察、管理・運営活動を中心とする情報ブログ

ミドリシジミの幼虫ーその2

カテゴリー:生き物観察

先週、「ゆるむしの森」でミドリシジミの幼虫の探索を行ないましたが、わずか2頭しか見つけられませんでした(→ミドリシジミの幼虫)。お目当ての"ハンノキギョーザ"(ミドリシジミの巣)が全く見当たらず、激減したのかと少し心配になっていました。どうにも納得がいかないので、今日あらためて探しに森を訪れました。

現場に着くと、あいにく全天に薄く雲が広がって陽が陰り、チョウの姿はほとんどありませんでした。今日はチョウの観察はお預けです。

ハンノキ林に入り、先週手が回らなかった20本程の樹木を丁寧に見て回りました。そしたら、いきなり最初の木でハンノキギョーザを見つけることができました(写真1、2)。同じ木で次々と見つかり、8個ほどになりました。2、3個中を覗いてみましたが、しっかりと幼虫が入っていました。

↑写真1  ミドリシジミの巣(ハンノキギョーザ)

↑写真2  写真1の木の別のミドリシジミの巣

気をよくして、次の木に移るとここでも見つかりました(写真3、4)。

↑写真3  別の樹木上ミドリシジミの巣

↑写真4  写真3の樹木上の別のミドリシジミの巣

結局、15本を探索して7本から幼虫の巣計40 個を見つけることができました。これらのうち5本は、昨年はいなかった樹木です。つまり昨年夏は、ほとんど一昨年と違う木に産卵し、越冬していたというわけですね。1本の木からは、枝上にへばりついている幼虫を見つけました(写真5)。というわけでほっと胸を撫で下ろしました。

↑写真5  枝にへばりついていたミドリシジミの幼虫

これで2年連続でそれなりの幼虫の数を記録しましたので、ゆるむしの森にミドリシジミが確実に生息し続けていると考えられます。以前は、周辺の地域にもけっこう生息していたと思われますが、伐採や開発の影響で生息場所が追いやられ、この小さな森で細々と生活しているのだと考えられます。

            

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