カテゴリー:生き物観察
前回の記事で、「6月のチョウ」を記しましたが、ここでは、ゆるむしの森でいまよく見られるチョウ以外の昆虫を、甲虫類を中心にして紹介します。今年の6月も例年通り、常連の虫たちが沢山見られます。
まずはコガネムシです(写真1-2)。緑色に輝く誠にきれいな甲虫で、気品を感じさせます。いま森内のあちこちの葉っぱにくっついているところが見られます。
↑写真1 コガネムシ Mimela splendens(2023年6月4日)
↑写真2 コガネムシ(2023年6月7日)
写真3はカナブンです。マルバヤナギの樹液場にコムラサキといっしょにいるところを撮りました。
↑写真3 マルバヤナギの樹液を吸うカナブン Pseudotorynorhina japonica とコムラサキ(2023年6月25日)
この森にはアキニレが豊富にありますが、いまあちこちの幹から樹液が出ていて、沢山の虫が集まっています。代表格の一つがハナムグリの仲間です(写真4)
↑写真4 アキニレの樹液に集まったシロテンハナムグリ Protaetia orientalis およびシラホシハナムグリ Protaetia brevitarsis(2023年6月7日)
サビキコリも沢山集まってきます(写真5)。
↑写真5 アキニレの樹液を吸うサビキコリ Agrypnus binodulus(2023年6月17日)
あるアキニレでは、キタテハといっしょにクロホソナガクチキムシとコクワガタが樹液を吸っていました(写真6)。
↑写真6 アキニレの樹液に集まったクロホソナガクチキムシ Phloeotrya rugicollis 、コクワガタ Dorcus rectus の♀、およびキタテハ(2023年6月4日)
コクワガタとサビキコリ(写真7)。
↑写真7 アキニレ上のサビキコリとコクワガタ
こちらはコクワガタの♂です。やはりアキニレの上にいました(写真8)。
↑写真8 アキニレ上のコクワガタの♂(2023年6月4日)
写真9-11は、この森の甲虫類の王様と言うべきノコギリクワガタです。今年も無事に沢山見ることができました。
↑写真9 アキニレ上のノコギリクワガタ Prosopocoilus inclinatus の♂(2023年6月16日)
♂と♀がいっしょのノコギリクワガタ(写真10)。
↑写真10 アキニレ上のノコギリクワガタの♂と♀(2023年6月25日)
穴の中にヨツボシケシキスイがチラッと見えます(写真11)。
↑写真11 写真8の4時間後のノコギリクワガタの♂と♀、およびヨツボシケシキスイ(左下)(2023年6月25日)
甲虫類以外では、この時期ダントツでハグロトンボが目立ちます(写真12)。本種は羽化後水場を離れて、薄暗い林の中に移動して生活する習性があります。林の中の観察路を進む度に、あちこちからヒラヒラ、ヒラヒラと、チョウのような飛び方で出てきます。低い位置ですぐに留りますが、近づくとまたすぐに気づいて飛び去っていくので、なかなかシャッターを切るタイミングが難しいです。
↑写真12 ハグロトンボ Calopteryx atrata(2023年6月25日)
写真13はキマダラカメムシです。ツヤアオカメムシ、チャバネアオカメムシなどともに、この森で最もよく見られるカメムシの一つです。アキニレの樹皮上にいて、カメラを構えたら、横斜めにどんどん逃げていきました。その逃げる途中の写真です。
↑写真13 アキニレ上のキマダラカメムシ Erthesina fullo(2023年6月25日)
いま、ゆるむしの森でよく見られるバッタ類の一つがヒメギスです(写真14)。キリギリスの仲間ですが、キリギリスよりも小さめです。全身が黒褐色ですが、写真のように背中が緑色のものもいます。翅は通常は短いですが、この個体は長翅型です。
↑写真14 ヒメギス Eobiana engelhardti の長翅型(2023年6月21日)
最後は、昆虫ではないですが、コガネグモです(写真15)。お腹に鮮やかな黄色の横線が入っているのが特徴です。
↑写真15 ノイバラに網をはったコガネグモ Argiope amoena(2023年6月21日)
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