カテゴリー:生き物観察
今日はとても暖かく(というより暑く)、「ゆるむしの森」の中を歩いていても汗ばんできました。ハンノキの林の中の新葉の出具合を観察していたら、オナガミズアオActias gnoma がとまっているのを見つけました(写真1)。羽化したばかりのようです。ハンノキはオナガミズアオの幼虫の食樹です。
類縁種のオオミズアオと見分けるのが難しいですが、前翅の縁の赤紫のラインの外側にはっきりとした白いラインが入っているか、前翅先端の角張り具合で何とか判別できます。オオミズアオは白いラインがはっきりしないか薄く、前翅も丸まった感じです。また、オナガミズアオがとまるときは前翅が後翅に重なるように垂れていることが多いです。
↑写真1: ハンノキの葉にぶら下がるオナガミズアオ
ハンノキの林の外れには、地面近くにとまっている別のオナガミズアオの個体(触角の形 [櫛状の広がりのなさ]からおそらくメス)を見つけました(写真2)。どうやら、この林で一斉に羽化したようです。オナガミズアオは蛹で越冬し、4月になると羽化します。それらの個体が産卵したものが、夏(7–8月)にもう一度羽化します。
↑写真2
オナガミズアオは環境省によって准絶滅危惧種に指定されています。生息にはまとまったハンノキ林が必要なので、埼玉県内でも産地は局所的なようです。
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