カテゴリー:生き物観察
「ゆるむしの森」はとてもカエルが多い森です。草むらやあちこちの樹木の葉上にたくさんの個体を見ることができます。池や田んぼの水の中にいるイメージのカエルですが、樹上生活が普通の姿です。この森ではまだ詳細には調査していませんが、普段よく見られるカエルをここで紹介したいと思います。
最もよく見られる種の一つがアマガエル(ニホンアマガエル)です(写真1-4)。
↑写真1 コナラの葉の上にとまるアマガエル Hyla japonica(2022年7月30日)
↑写真2 エノキの葉上のアマガエル(2022年8月6日)
↑写真3 エノキの葉上のアマガエル(2022年8月6日)
↑写真4 マルヤナギの幹上のアマガエル(2022年8月6日)
アマガエルと並んで数が多いのがヌマガエルです(写真5–8)。元々は四国、九州、奄美諸島、沖縄諸島などに生息する南方系のカエルでしたが、今は本州以西までに生息域が拡大した国内侵入種です。
↑写真5 地面で並んだヌマガエル Fejervarya kawamurai(2022年7月30日)
↑写真6 雨水貯めに敷いたブルーシートの上のヌマガエル(2022年6月13日)
ヌマガエルはツチガエルに似ていますが、お腹が白いことで区別できます。ツチガエルにはお腹に斑点模様があります。またヌマガエルはツチガエルに比べてあまり臭いがないです。
これらは実際捕まえてみないとわからないことですが、背面上でも区別できます。よく観察すると、ヌマガエルには両眼の背部にV字模様を確認することができます(写真7)。この模様はツチガエルにはありません。
↑写真7 ヌマガエルの特徴の一つである両眼の背部にあるV字模様(矢印)
↑写真8 池の中のヌマガエルと思われるオタマジャクシ(2022年6月18日)
数は少ないですが、トノサマガエルも時々見ることができます(写真9)。
↑写真9 地面を飛び跳ねていたトノサマガエル Rana nigromaculata(2022年5月22日)
そのほか、アカガエルと思われる鳴き声も時折聞こえることがありますが、お目にかかることは滅多にありません。
このようにカエルがとても多いので、それをエサとするヘビも多かったのですが、昨年、今年と目撃回数が激減しています。キジやサギなどの上位の捕食者が増えているせいでしょうか。
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