カテゴリー:チョウの食草と食樹
カワヤナギ Salix gilgiana(ヤナギ科ヤナギ属) 🟠食樹とする(葉を食べる)幼虫のチョウ種:コムラサキ(タテハチョウ科コムラサキ亜科)
北海道南部から九州まで広く自生する落葉高木で、高さ 3〜10 m になります。日当たりのよい河原や水田跡など湿気の多いところに生えます。雌雄異株で、幹は直立、または株立ちします。ゆるむしの森では最も多いヤナギで、コムラサキの幼虫が最もよく発生します。樹液も豊富で、甲虫類やスズメバチが集まります。
ヤナギ類の樹皮はゴツゴツしていて、コムラサキの幼虫はこの樹皮の隙間に身をひそめて越冬します。越冬幼虫の大きさは 10 mm 弱で、保護色になっているので、目を凝らさないと見つけられません↓。
マルバヤナギ Salix chaenomeloides(別名:アカメヤナギ、ヤナギ科ヤナギ属) 食樹とする(葉を食べる)幼虫のチョウ種:コムラサキ(タテハチョウ科コムラサキ亜科)
本州、四国、九州に自生する落葉高木で、日当たりのよい河原や水田跡などに生え、高さ 10〜20 m になります。ヤナギ類の葉は一般的に細長いですが、マルバヤナギはその名のとおり、葉が丸みを帯びた楕円形で、縁には小さな鋸歯があります。ゆるむしの森では、カワヤナギに次いで多く生えています。
果実は6月頃に裂開し、白い綿毛に包まれた小さな種子を飛ばします。初夏にはふわふわとした雪のように舞う姿が見られます。若葉は赤味を帯び、別名アカメヤナギの由来になっています、
他のヤナギと同様、樹液が豊富でタテハチョウ科の仲間、クワガタムシなどの甲虫類、スズメバチなどがよく集まります。
ネコヤナギ Salix gracilistyla(ヤナギ科ヤナギ属) 🟠食樹とする(葉を食べる)幼虫のチョウ種:ヒオドシチョウ(タテハチョウ科コムラサキ亜科)
北海道から九州まで広く分布する落葉広葉低木で、上記 2 種のヤナギよりも樹高は 2〜3 m と低いです。枝が立ち上がるものと、横に枝が伸びるものがあります。他のヤナギよりも水際を好み、水に浸ったところからも根を下ろして株が増えます。
ヤナギ類の中ではシダレヤナギとともにヒオドシチョウの食樹となり、 幼虫が群生することがあります。ゆるむしの森では最も大きい株にヒオドシチョウの幼虫が群がる姿を見かけることがありましたが、この木が折れて枯れて以来、低木を残すのみとなり、最近では幼虫を見かけなくなりました。
カテゴリー:チョウの食草と食樹